東大阪市で事業をしていて、売上が落ち込んだり資金繰りが厳しくなったとき、「もう誰にも相談できない」と感じる経営者は少なくありません。でも、そんなときこそ頼るべき相手が“税理士”です。ただし、税理士に経営相談する際には、話し方やタイミング、信頼関係の作り方が重要になります。ここでは、経営に行き詰まったときに税理士に相談する際のコツを、現実的かつ実践的な視点でまとめます。
1. 「決算や税務の人」と決めつけず、“経営の相談相手”と捉える
まず前提として、税理士は「税金を計算するだけの人」ではありません。事業の数字を誰よりも把握しており、資金繰り、利益率、人件費バランスなど、経営の肝に深く関わる専門家です。
だからこそ、単なる帳簿処理の延長で話すのではなく、「経営の壁打ち役」として、現状を正直にぶつける姿勢が大切です。
2. 「本音」で話す覚悟を決める
税理士に相談する最大のポイントは、“ごまかさない”ことです。見栄を張ったり、マイナス面を隠したままでは、正しいアドバイスはもらえません。
赤字の原因が自分の判断ミスでも、人件費が重荷になっていても、キャッシュが数ヶ月しかもたない状態でも、それを率直に共有することが最初の一歩です。
具体的に話すべきこと:
- 月ごとの売上・経費の推移
- 借入の残高と返済スケジュール
- 資金繰り表(または現金残高と支払い予定)
- どの部分で迷っているのか(例:人件費カットか売上強化か)
3. 「何を相談したいか」を明確にしておく
相談の前に、自分が「何に困っていて」「何を決めたいのか」を整理しておくと、税理士も答えやすくなります。漠然と「なんとかならないか」では、具体的な支援に結びつきにくくなります。
例:
- 売上が落ちているので改善策を一緒に考えてほしい
- 資金繰りがもたないので、融資の相談に乗ってほしい
- 固定費が重くて苦しい。どこを削るべきかアドバイスがほしい
- 廃業も視野に入れているので、損失を最小にする方法を知りたい
こうした“テーマ設定”ができていれば、税理士も経営目線で対応してくれます。
4. 相談は「早めに」「決算前に」する
多くの経営者がやってしまいがちなのが、「どうにもならなくなってから」相談すること。税理士は魔法使いではないので、資金ショート寸前の段階では手を打てる選択肢がかなり限られます。
売上が2ヶ月連続で落ちた、資金繰りが1〜2ヶ月先までしか読めない、と感じた時点で早めに動きましょう。
また、決算前に相談することで、利益調整や節税策だけでなく、「来期に向けてどう立て直すか」という話もしやすくなります。
5. 「経営に強い税理士か」を見極める
すでに付き合っている税理士がいても、「経営の話になると反応が薄い」「数字の説明しかしない」という場合は要注意。経営相談は得意・不得意が分かれる分野なので、合わない場合はセカンドオピニオンや顧問の切り替えも検討すべきです。
見極めポイント:
- 過去に融資や再建のサポート経験があるか
- 顧問先の業種に詳しいか(同業界の事例があるか)
- 単なる数字の報告だけでなく、「今後どうするか」を一緒に考えてくれるか
もし今の税理士では物足りないと感じるなら、東大阪市内で経営支援に強い税理士を探すことも選択肢の一つです。商工会議所や金融機関などから紹介してもらえることもあります。
6. 「アクションにつながる相談」にする
相談して「スッキリした」だけでは意味がありません。大切なのは、その後にどう動くかです。税理士と話した内容はメモを取り、「●月●日までに●●をやる」という行動計画に落とし込んでおきましょう。
また、定期的に「経営レビュー」の時間を税理士と持つようにすると、状況の変化に合わせて柔軟に軌道修正ができます。
まとめ
東大阪市で経営に行き詰まったとき、税理士は“最も現実的なパートナー”になってくれます。ただし、助けてもらうには、こちらから本音で動くこと、そして「何を相談したいか」を明確にすることが必要です。
税理士は、経営者が冷静に状況を見直し、次の一手を決めるための「数字と事実に基づいたアドバイザー」です。孤独になりがちな経営の現場で、冷静な視点を持ち寄ってくれる存在として、もっと積極的に活用していきましょう。
税理士と日頃から懇意にしておくことは、単なる「税金対策」や「決算処理」のためだけではありません。むしろ、本当に力を発揮してくれるのは、経営が停滞したときや資金繰りが不安になったとき、あるいは事業を成長させたいときです。経営者が抱える悩みは、数字に関わることが多く、そこに強いのが税理士。だからこそ、普段から関係性を築いておくことで、いざという時に「即戦力のブレーン」として動いてくれるわけです。
以下に、税理士と懇意になっておくことで得られる具体的なメリットを紹介します。
1. 経営の“勘所”を数字で見せてくれる
税理士は、経営数字の動きを客観的に捉える専門家です。懇意にしておけば、数字の裏にある経営課題をいち早く指摘してくれます。
例えば、
- 「今期、売上は上がっているのに利益が残っていない」
- 「仕入原価がじわじわ上がっているが、価格転嫁できていない」
- 「人件費率が高くなってきている」
など、経営者自身が気づきにくいリスクを、帳簿の中から拾い上げてくれるわけです。単なる会計処理屋ではなく、数字を通して「経営のクセ」や「改善の余地」を指摘できるのは、懇意にして信頼関係ができているからこそ。
2. 資金繰りや融資の場面で強力な後ろ盾になる
いざ資金繰りが苦しくなってから税理士に泣きついても、「それもっと早く言ってくれたら…」という展開は珍しくありません。しかし、普段から懇意にしていれば、月次の動きを把握してくれているため、少しの異変でも敏感に反応してくれます。
そして、いざというときは以下のような対応が可能になります:
- 銀行融資の際に、数字の根拠を税理士が説明してくれる
- 日本政策金融公庫や信用保証協会への申請書類を一緒に準備してくれる
- キャッシュフロー表や経営改善計画書を代わりに作ってくれる
- 緊急的なリスケジュールや資金調整のアドバイスを即座にくれる
こうした支援を、初対面の税理士に急に頼んでも動いてはくれません。普段から関係性を築いているからこそ、即対応が可能になるのです。
3. “耳が痛い話”も受け入れやすくなる
信頼している税理士から言われたことは、たとえ厳しい内容でも真剣に受け止められます。逆に、普段あまり会話していない税理士に「このままではまずい」と言われても、「なんか他人事っぽいな…」と感じてしまうのが人間心理です。
懇意にしておくことで、税理士からの助言が「第三者のアドバイス」ではなく、「一緒に船を漕ぐ仲間の意見」として響くようになります。
4. 補助金・助成金などの情報を早めに教えてくれる
税理士は補助金・助成金の情報にも敏感です。懇意な関係があれば、「これ、御社使えそうですよ」といった提案が自然と届きます。逆に、付き合いが淡泊なままだと、チャンスを逃していても「言っても無駄かな」とスルーされてしまうことも。
また、補助金申請時の事業計画書作成を手伝ってもらえたり、顧問契約の範囲内で数値根拠をサポートしてもらえるのも、日頃からの関係性によるところが大きいです。
5. 経営者が“孤独”にならずにすむ
経営者は孤独です。社員にも、家族にも本音を出せないときがある中、税理士は唯一「数字を知ったうえで、外部の立場から相談できる相手」です。
懇意な関係を築いておけば、
- 「この先、どこを目指せばいいか分からない」
- 「社員を雇い続けていけるか不安だ」
- 「事業を続けるべきか撤退すべきか悩んでいる」
といった深い悩みにも、一緒に向き合ってくれます。
信頼できる税理士がいることで、経営者は精神的にも安定しやすくなり、より冷静に判断できるようになります。
6. 事業承継や出口戦略の相談もしやすい
事業が軌道に乗ったあとに必ずやってくるのが、「どう終わらせるか」「誰に引き継ぐか」という問題です。これも、信頼関係のある税理士がいれば、早いうちから準備に着手できます。
- 自社株の評価
- 相続対策
- 後継者への段階的引き継ぎ
- M&Aの可能性検討
など、経営の“出口”についても、利害なく冷静に相談できるのが税理士です。ただしこれは、長年の関係性があるからこそ真剣に考えてもらえるテーマ。急に現れた相談者には、そこまで踏み込んだ話はできません。
まとめ
税理士と懇意にしておくことは、「税務の手間が減る」以上の価値があります。経営の節目や危機のとき、本当の意味で経営者の背中を支えてくれる存在になってくれるかどうかは、日頃からどれだけ信頼関係を築いてきたかで決まります。
普段からざっくばらんに話せる関係を作り、ただの「顧問」ではなく「右腕」として育てておくことが、長く安定した経営の土台になるのです。